たびにっき

OL修業中。グルメ/旅行/本/映画で日常を作り上げています。完全なる私的日記として利用しています。

松本清張ドラマスペシャル 霧の旗 感想

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松本清張ファンである私はこの日を楽しみにしていました。そう、松本清張2夜連続スペシャル、特にこの霧の旗は、キャストもかなりしっくり来るなと思っていたので、どんな出来か楽しみに。この霧の旗、原作は勿論、相武紗季海老蔵版も拝見済み。賠償美智子版は見ておりません。

以下、感想(という名の桔平愛。)

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以前の海老蔵版とは比べ物にならない仕上がりだと思いました。堀北真希か〜と思っていたのですが、演技力は◎
桐子の、見た目とは裏腹の「憎悪」を演じ切る、見応えがありました。桔平相手に「気持ち悪い」と蔑む場面、なかなかやりますな。

椎名桔平木村佳乃、この2人はイメージ通り。木村佳乃のコテコテの愛人ぶり、期待していました。女優帽に派手なショッキングピンクのワンピースでスポーツカーに乗り箱根へ…(一度ハワイでご本人をお見かけしましたがもっと落ち着いたセレブでした) 強いて言えば、この女は桔平をあくまでも金目当てで利用している、という設定ですが、この二人を見ていると本当に愛し合っているかのよう。もっとしたたかさを出しても良かったと思う。だってお似合いすぎるんだもん。

そしてMy sweet honey 桔平…この話の重要な所は、「”誠実で良心的な弁護士”が、誰にでもある少しの気の迷いから犯した過ちに対する、女の理不尽な復讐」ですから、勧善懲悪ではいけない。男(弁護士)が”悪”を感じさせてはいけない。そういう意味で、海老蔵よりも桔平のほうがしっくり来ました。(海老蔵ではどうしても闇や狂気がちらついてしまいますから…)それにしてもハマり役だったとおもいます。ちょっとダメな所、最終的に幸せになれない皮肉さ、、表情や声色にもよく表れていました。雨に打たれてうずくまるシーン、懇願の様は思わず見惚れてしまう出来具合。ああ、なんて可哀想なの私の桔平。

ラストシーン、桔平が不本意にも自分を犠牲にする形で、愛する女を助ける。結末は知っていましたがそれでもやり切れない気持ちになりますね。堀北が少し微笑む演出、してやった、という笑みではなく、自分への呆れも含まれた微妙な表情、良かった!


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しかし、題名「霧の旗」に触れる場面が少なかった。「濃い霧は、音を立てるらしい」という桔平の言葉のみ。視聴者が汲み取れば良い、ということなのだろうか。私はこの霧の旗というタイトルを、本を読み終えた時に改めて考えさせられ、松本清張らしい題の付け方だなぁと思った記憶がある。砂の器然り。もっとそのへんも意識してほしかったかも。私が見逃していただけかな?



まとめ。とにかく桔平に惚れ直した。ゴルフのシーン、こんなにポロシャツが似合う人がありますか? ベロベロに酔い潰れる様もセクシーすぎたの。

霧の旗 (新潮文庫)

霧の旗 (新潮文庫)